東京で一番美味しい天ぷら屋さんはどこだろうか?と会社の先輩に聞いたら「みかわ」と教えられた。上野の天庄で修行した早乙女さんが茅場町に店舗を開いたのが最初で、今は本店が門前仲町にある。さて、どんな天ぷらやさんかというとこんな感じ。
天ぷら みかわ六本木ヒルズ店 外国人のお客様が多数ご来店
バブル絶頂期の名著「東京いい店やれる店」という本にも出てくる天ぷら屋さんで、会社の同期とみかわ茅場町店に食べに言ったら「海原雄山が来そうな店だな」と反応は異口同音だった。
時代は変わり、21世紀のコロナの時代に茅場町店は一時休業している。
天ぷらみかわの門前仲町本店と六本木ヒルズ店は元気に営業中です。
早乙女さんの息子さんが、六本木支店をきりもみしています。
みかわの天ぷらは「おまかせ」が一番楽で安い。
場所が六本木ヒルズにあることもあり、外国人のお客様がいろんな言葉でお食事中。
隣にいたスペイン人の女性から日本語で話しかけられて「ホッと」とする早乙女さん。
みかわの天ぷらで最初に出てくるのが、「えび」です。
江戸前の車海老。
天ぷらのネタは極力江戸前のネタにこだわりたいのだそうです。
このえびですが、塩を少しつけて尻尾まで食べます。
二尾揚げてくれます。43秒から45秒で上がります。
えびの頭です。脳みそは捨てます。なぜなら、油の中で爆発してしまうからです。
外国人のお客様は最初に抵抗をするのが、えびの頭。
「食べていたくないですか?」と質問されて「かっぱえびせんみたいです」と答えたら、むしゃむしゃと食べていた。
キスです。肉厚のキスが大好きです。
「キスって何?」とスペインの人に聞かれて「Googleれよ」と言いたかったけど、調べてあげた。
「鯛は天ぷらにしないのですか?」
確かに、外国人のお客様の質問に考えてしまいました。
キスの天ぷらがあるなら、鯛の天ぷらがあってもいいよね。
「天ぷらにして美味しいお魚が決まってましてね。油であげる技ですから、揚がらないことはなのですけどね。鯛は刺身、塩焼きがうまいですかね。天ぷらのネタにする魚は比較的安価なお魚を江戸から受け継ぐ技を加えてお出ししております」という答えが素晴らしかった。
スペインのお客様がその応えを英語に訳してくれてカウンターは盛り上がります。
スペイン語、英語、ドイツ語、フランス語、日本語が飛び交うカウンター8名と、お座敷から参戦のアメリカ人家族。
よくみてみたら、日本人の客はおいらたち2名のみ。
さすが六本木だな。
初夏だとアオリイカが美味しいですね。
で、このイカの揚げ方で外国人さんが興奮するのです。
「あ、イカはなかは生のなんですか?」
「イカはね外側がパリッと上がって、中を生のまま出すのが江戸の天ぷらの作法なんです。完全に火を通すとイカは硬くなり美味しくないですからね」
メゴチです。
「メゴチは日本のお魚ですか?」
「メゴチは大量にとれないんですよ。漁師さんのあみに『いた』という感じで数が入らないから市場にも出てこないのです。うちは漁師さんに頼んで集めてもらってます」
へー、そうなんだ。マゴチはたくさん取れるのにね。
裁きも大名下ろしにするのは、身に水分が少ないからだそうだ。
なるほどな。魚によって、揚げ方は全て違うんだ。
「あの、早乙女さんはもう何人前ぐらいあげてますか?」
「数えたことないですけど、30万人前ぐらあげたかな?」
ランチを3年あげていると5万食はあげてるかな?
すげーーーーーーー。
熟練の技とはこういうことか?
アスパラです。
この日はアスパラでしたけど、いろんな季節のお野菜をあげてくれます。
アナゴは基本的に1本あげです。真ん中で割るのは、土臭さを飛ばすためです。
小柱のかき揚げを天丼にしてもらいました。
みかわの味噌は八丁と仙台の合わせ味噌ですね。
お新香がうまい店は最高だ。
お昼のコースです。
みかわ 六本木ヒルズ店へのアクセス
東京都港区六本木6-12-2 六本木ヒルズ けやき坂通り レジデンスB棟 3F
03-3423-8100
営業時間
11:30~14:00
17:30~21:30
日曜営業してますよ。
定休日 水曜日
ランチでも予約が必要です。
ランチで10,000円、夜で15,000円ぐらいです。